世界の多くの国で楽しまれているコーヒーにはたくさんの銘柄が存在し、主に「コーヒーベルト」と呼ばれる北回帰線と南回帰線の間にある約70カ国で生産されています。では、産地によってコーヒー豆の味や特徴などに違いはあるのでしょうか。今回は、コーヒー豆の品種と銘柄ごとの特徴について詳しくご紹介していきます。

この記事を読むための時間：3分

コーヒーの品種

コーヒーの原料になっているのは、アカネ科コフィア属に分類されている樹木の種子です。そのうち、世界で流通しているコーヒーの品種は「アラビカ種」と「カネフォラ種」の2種類だけで、6：4の割合で生産されています。

 

ストレートで飲むのに適したアラビカ種は、風味を良くすることと生産性アップを目的に品種改良がなされて、非常に多くの品種に分かれています。ストレートでは飲みにくいカネフォラ種は独特の香りと強い苦味が特徴で、アラビカ種のコーヒー豆とブレンドして使用することも多く、パンチの効いた味わいを楽しむことが可能です。

コーヒー豆の銘柄と特徴

商品として販売されているコーヒー豆は、品種に加え、銘柄でも細かく分類されているため、数多くのものがあります。ここで、よく知られている銘柄とその特徴についてご紹介します。

キリマンジャロ

タンザニアが産地の「キリマンジャロ」は、しっかりとしたコクとすっきりとした酸味が特徴です。どっしりとした芳醇さがあり、深煎りすると上品な苦味も楽しめます。喫茶店の名前に使われることもあり、美味しいコーヒーの代名詞の一つとして挙げられています。

ブルーマウンテン

ジャマイカが産地の「ブルーマウンテン」は、コーヒーの良さを全て味わうことができると言われています。酸味・甘味・苦味・コクが均等に調和しているため「黄金のバランス」を持つコーヒーとも。すっきりとした酸味と苦味に加え、後味に深みのある濃厚な甘味が感じられるため、「コーヒーの王様」とも称されています。

モカ

イエメンとエチオピアで生産されている「モカ」は、最も古いコーヒーブランド。イエメンにある「モカ」という名前の港町が由来です。花のような強い香りと果物のような独特の酸味が特徴で、本来の香りを楽しみながらブラックで飲むのがおすすめです。

ブラジル

ブラジルが産地の「ブラジル」は、軽快な甘い香りと酸味・苦味・コクが軽くバランスが取れているのが特徴です。クセがないため飲みやすく、他の銘柄とブレンドする際、ベースに使われることが多い銘柄になります。

グアテマラ

グアテマラで生産される「グアテマラ」は、華やかさのある甘い香りと果物のような新鮮な酸味、コクが豊かでキレのある爽やかな後味が特徴です。土壌が火山灰である山脈で栽培されることが多く、雨が多く、厳しい寒暖差といった好条件の環境で栽培されているため、品質の高い豆としても知られています。

コロンビア

コロンビアが産地の「コロンビア」は、全てアラビカ種で栽培されています。南国を思わせる甘い香りとしっかりとした酸味、どっしりとしたコクにフルーティーさも相まって、味のバランスの良さが特徴です。安価で手に入りやすく、ブレンドのベースとしてもよく使用されています。

コナ

アメリカ・ハワイ島が産地の「コナ」は、甘い香りととても強い酸味・コクが特徴です。キリマンジャロ・ブルーマウンテンと共に「世界三大コーヒー」の一つと呼ばれていますが、生産量が世界全体の約1％以下であり、非常に希少なため高価な豆になっています。ブレンドして使うと良質な酸味が加わるのも、人気の理由の一つです。

マンデリン

インドネシアで生産されている「マンデリン」は、しっかりとしたコクと苦味がある一方、酸味が控えめで独特な後味が特徴です。ハーブやシナモンを感じさせる上品な風味と強さのあるボディも人気で、日本ではブルーマウンテンが広まるまでは世界一のコーヒーと言われていたことも。

コーヒー豆の産地と特徴から至極の一杯を選ぼう

今回ご紹介したコーヒー豆の銘柄以外にも、世界にはたくさんの美味しいコーヒー豆がたくさん存在します。産地だけでなく、豆の焙煎度や淹れ方によって、さらにバリエーションに富んだ飲み方を楽しむことが可能です。今回の記事を参考にして、あなた自身の至極の一杯を選んでみませんか。